Power of Smile 2024年度 前期号
帝京八王子中学高等学校通信
~Power of Smile 2024年度前期号~
・校長室から(2024年9月)
今年度もまもなく前期が終了いたします。生徒諸君は定期考査が終わり、その結果に一喜一憂しながらも、日々学習やクラブ活動に打ち込んでいる姿を見て、大変喜ばしく思っています。このように生徒諸君が健やかに過ごしているのも、保護者の皆様のご協力があってのことであり、感謝しております。
さて、これからの時代、自分の専門分野に対する深い知識と考察力を持ち、その力で新しい物事を切り拓くことのできる人材が求められていることを、折に触れて、言葉を変え、生徒諸君にはお話ししています。それを受けて生徒諸君は、「どんな分野ならば一生考え、楽しむことができるのだろう」と、自分にあった道を考えてくれているでしょうか。どの分野もこれからの人生で必要となってくるものです。生徒諸君はその中から、自分の好みや特性に合うものを選択していくのです。得意な科目、好きな科目が主になるとは思いますが、中学や高校での学習に無駄なものはありません。苦手な科目、嫌いな科目も、学習する必要のあるものばかりであることを理解しましょう。
以前にも書きましたが、私も生徒より、「先生、いまやっている勉強って何の役に立つのですか」といった質問をよく受けます。人は、自分が行っている事に対する成果を今すぐ欲するからでしょう。しかし、学習したことはどのような分野であれ、無意識のうちに自分の思考力の源泉となり、将来に役立つことは間違いないと思っています。誰もが納得するような模範解答はおそらくありませんが、これも一つの答えではないでしょうか。
人は成果を性急に求めるあまり、途中の学習や思考をないがしろにして、結果だけを求めてしまう、ということに注意が必要です。自分が行ってきた学習で裏打ちされた、確かな学力を身につけてくれることを期待します。
前期の主な記事
・入学式
春の息吹が感じられる4月4日(木)に高等学校92名、中学校22名の入学式が挙行されました。長かった受験を乗り越えた入学生は安心と喜びを感じているようでした。大人へと成長するために帝京八王子の先輩方の背中を見て、先生方の導き、同級生と切磋琢磨しながら大きく成長してほしいと思います。
・四季の花
和名 カラスノゴマ
学名 Corchoropsis crenata Sieb. et Zucc.
アオイ科 カラスノゴマ属 一年草
開花期 9月
本校テニスコートの近くに群落で生えています。めしべや仮おしべ(おしべの花粉をつけている物。これ自体は花粉を作らない)が長いのが特徴です。ちなみに、学名の中にあるSiebは江戸時代に活躍した医者であるシーボルトの略記です。つまり、この植物の発見者(報告者)の一人がシーボルトとなります。
(理科 大澤 瑞樹)
後期の主な予定
10月
13日(日)・14日(月)蔦校祭(文化祭)※14日は学校説明会も開催
27日(日)高校学校説明会・個別相談会
28日(月)文系学部・学科ガイダンス(高2)
11月
4日(月)帝八秋の部活フェス
10日(日)高校体験入試
14日(木)交通安全教室(中1・高1)
16日(土)国際系ガイダンス
24日(日)高校学校説明会
30日(土)帝京大学八王子キャンパス見学会・体験授業(高1)
12月
1日(日)体験入試・学校説明会(中学)
7日(土)4コース個別相談会(高1)
8日(日)個別相談会(高校)
17日(火)~20日(金)後期中間考査・卒業考査
1月
14日(火)百人一首大会(中学)
30日(木)球技大会(高2)
2月
5日(水)東京英語村(中2)
19日(水)球技大会(高1)
3月
1日(土)~5日(水)後期期末考査
17日(月)卒業式
・編集後記
本日9月30日は1863年に八月十八日の政変が起こった日です。9月30日に八月十八日の政変?と思われるかもしれませんが、江戸時代末期は旧暦でしたので現在の暦ですと9月30日にあたります。
八月十八日の政変は、江戸幕府を支持する公武合体派(朝廷と江戸幕府の協力が必要と考えるグループ)が、尊王攘夷過激派(天皇を尊び外国勢力を排除しようとするグループ)を京都から排除したクーデターです。
当時、盛んに諸外国から開国をせまられていた日本において、外国人を武力で追い払うことを唱える長州藩や一部の公家を中心とした尊王攘夷派と外国と話し合いで解決しようとする公武合体派とで意見が分かれていました。そんな時、公武合体派は長州藩が朝廷を利用して孝明天皇を無理やり京都御所から長州(現山口県)に連れ出そうという情報を手に入れ、孝明天皇に長州に行く意思が無いことを確認した公武合体派は会津藩・薩摩藩を中心に長州藩やこれに加担する公家たちを朝廷から排除しました。この出来事が八月十八日の政変の政変です。この政変では幕府はほぼ何もせず、会津藩や薩摩藩が中心となったことで諸藩が発言力をもち、幕府は弱体化していくことになります。また、追放された長州藩も京都での勢力を回復しようと後に起こる池田屋事件や禁門の変が起きるきっかけとなりました。八月十八日の政変や禁門の変で長州藩と薩摩藩は敵同士でありましたが、坂本龍馬の活躍により薩長同盟が結ばれこの両藩が中心となり江戸幕府が倒れ明治維新へと向かっていくのです。