Power of Smile 2023年度 前期号
帝京八王子中学高等学校通信
~Power of Smile 2023年度前期号~
・校長室から(2023年9月)
今年度もまもなく前期が終了いたします。生徒諸君は定期考査が終わり、その結果に一喜一憂しながらも、日々学習やクラブ活動に打ち込んでいる姿を見て、大変喜ばしく思っています。このように生徒諸君が健やかに過ごしているのも、保護者の皆様のご協力があってのことであり、感謝しております。
さて、これからの時代、自分の専門分野に対する深い知識と考察力を持ち、その力で新しい物事を切り拓くことのできる人材が求められていることを、折に触れて、言葉を変え、生徒諸君にはお話ししています。それを受けて生徒諸君は、「どんな分野ならば一生考え、楽しむことができるのだろう」と、自分にあった道を考えてくれているでしょうか。どの分野もこれからの人生で必要となってくるものです。生徒諸君はその中から、自分の好みや特性に合うものを選択していくのです。得意な科目、苦手な科目、好きな科目、嫌いな科目等いろいろあり、その中から得意な科目、好きな科目を選ぶことになると思いますが、中学や高校での学習に、無駄なものはありません。苦手な科目、嫌いな科目も、学習する必要のあるものばかりです。
以前にも書きましたが、私も生徒より、「先生、いまやっている勉強って何の役に立つのですか」といった質問をよく受けます。人は、自分が行っている事に対する成果を今すぐ欲するからでしょう。しかし、学習したことは無意識のうちに自分の思考力の源泉となり、将来に役立つことは間違いないと思っています。誰もが納得するような模範解答はおそらくありませんが、これも一つの答えではないでしょうか。後期もしっかりと学習に取り組んでくれることを期待します。
・入学式
4月4日(火)に入学式が行われました。新しい制服に身を包み、中学生17名・高校生66名が入学しました。本校の建学の精神である「力れば必ず達す」を胸に秘めて色々な経験をして充実した学校生活を送ってほしいと思います。
・前期の行事一覧
・四季の花
和名 クサギ
学名 Clerodendrum trichotomum Thunb.
開花期 7月~9月
駐車場裏にありました。ほとんどいつも学校にいるはずなのに、毎年新しい発見があります。
ちなみに、学名のClerodendrum(クレロデンドルム)はクサギ属を示し、trichotomum(トリコマム)は、花の根本周辺が三分岐していることを示し、Thunb.は命名者であるカール・ツンベルクからきているようです。
(理科 大澤 瑞樹)
・編集後記
今年の大河ドラマは「どうする家康」で40年ぶりに徳川家康が主役になりました。徳川家康といえば日本の歴史上で誰もが知っている人物だと言えます。
今回は関ケ原の戦いに勝利し、江戸幕府を開き天下統一を果たした徳川家康のゆかりの地を巡ります。
上記の写真は長篠設楽原古戦場(愛知県新城市)です。1575年、甲斐国(現在の山梨県)の武田勝頼(信玄の子)が徳川方の長篠城を包囲し、徳川家康と織田信長が救援のために軍を送り長篠設楽原で勝頼の軍と衝突しました。織田・徳川連合軍は武田の騎馬隊対策として写真にある馬防柵をつくり騎馬隊の突撃を防ぐとともに、大量の鉄砲を用いた戦術で戦国最強と言われて武田軍を破りました。この勝利を機に武田軍に占領された領地を家康が回復していきました。
上記の写真は徳川家康の同盟相手の織田信長の居城であった安土城跡(滋賀県近江八幡市)です。徳川家康は1582年に織田信長に招かれ安土城を訪れました。その後に堺(大阪府堺市)を見学中に本能寺の変で信長が明智光秀に討たれます。明智軍から逃れるために家康は伊賀越えにて命からがら三河に戻りました。
上記の写真は関ケ原古戦場です。豊臣秀吉が1598年に亡くなると1600年に天下の覇権をかけて徳川家康ら東軍は石田三成ら西軍と関ケ原(岐阜県不破郡)で戦いました。戦いは小早川秀秋が西軍から東軍に寝返り半日で東軍の勝利で終わりました。徳川家康は関ケ原の戦いの勝利後に江戸幕府を開き1615年に大坂の役で豊臣秀頼(秀吉の子)を滅ぼし天下泰平の世を築きました。
徳川家康は確かに日本の偉人でありますが、必ずしも恵まれた人生ではありませんでした。織田信秀や今川義元の人質として幼少期を過ごしました。今川家の人質時代、家康は今川義元の軍師・太原雪斎に学びました。その後は今川義元・織田信長・武田信玄・豊臣秀吉らに学び、また、徳川四天王(酒井忠次・本多忠勝・榊原康政・井伊直正)らを中心とする良き家臣団にも支えられ天下人になりました。
歴史を学ぶ意義とは先人の教えを現在に活かすことにあると思います。生徒諸君も家康のように出会いを通じて大きく成長してほしいと思います。